最近PHP案件の人気に押され下火になりつつあるPerlですが、理解がしやすく手軽なので、できれば長く使っていきたいです。
サーバ側のプログラムなので、どうしてもプログラムを書いて、サーバにFTPして、ブラウザでアクセスして確認というスタイルになるのですが、もっと身近に感じて頂きたいので、Windows端末上で書いて、すぐに確認ができるような環境を作成する手順をご紹介差し上げます。
実施のインストール作業手順に進む前に、ざっくりとした概要を説明します。
今回使うのは、「Padre」と「AN HTTPD」というソフトです。いずれもインターネット上からフリーで取得することができます。WindowsOSもXPから最新の8.1まで、32bit/64bitに関わらず使うことができます。
Padreとは、perlのIDE(開発環境)です。簡単に言うとPerlを開発するに必要なエディタや環境、モジュール等のセットとお考えください。公式サイト:http://padre.perlide.org/で各種ドキュメントや最新IDEのダウンロードなどが行えます。サイトは英語ですが、「Download」をクリックして、「Windows Donwlaod DWIM Perl 5.14.2.1 (v7).」あたりをクリックするだけですので恐くはありません。
Perlを実行する本体は、「Strawberry Perl」というものを含んでいます。こればActive Perlなどと並ぶ有名なモジュールです。
名前からなんとなく想像ができるかもしれませんが、簡単に言うとWebサーバソフトです。LinuxなどのサーバでいうApache等の代わりという事になります。要はこのソフトがブラウザからの要求を受け取り、Strawberry Perlに指示を出し、目的のPerlプログラムを実行して、その結果をAN HTTPDがブラウザに返すという流れになります。ダウンロードは、製作者のページ:http://www.st.rim.or.jp/~nakata/から可能です。
ダウンロードした「dwimperl-5.14.2.1-v7-32bit.exe」をダブルクリックして、指示に従いインストールします。特に設定等を変更する必要はありません。デフォルトで「C:\Dwimperl」配下にインストールされます。
「httpd142n.zip」をダブルクリック等で適当な場所に解凍展開します。お好みですがプログラムなので「C:\Program Files」配下に移動するのも良いかと思います。
特に必須の設定はありません。スタートメニューの「DWIN Perl > Padre, the Perl IDE」からエディタを起動し、すぐにプログラムを書いて、実行することができます。IDE上からの実行は直接「perl.exe」に渡されコマンド画面で結果が見れます。
AN HTTPDにperl.exeのパスを設定する必要があります。まずは、「C:\Program Files\httpd142p\httpd.exe」を起動します。Windows右下の黄色いアイコンをクリックし、プログラムを表示させます。
2-1. メニューの「オプション > 一般」から設定画面を出します。
2-2. 「一般」タブの赤枠の「.pl, .cgi」を選択し、下の「編集」ボタンを押します。
2-3. 実行プログラムの部分に、Padreと一緒にインストールされたperl.exeの場所を手入力します。(参照ボタンは有効になりません。)
デフォルトでは「C:\Dwimperl\perl\bin\perl.exe」にインストールされていますので、これを入力し「OK」ボタンを押します。「オプションを変更してサーバを再起動します」も「OK」を押します。
基本的な設定はこれで完了です。あとは、各環境に合わせた設定を行います。
例えば、「D:\my-project\my-page\index.html」というWEBページを作成したとして、ブラウザで表示してみます。
ブラウザでのアクセスの前に、AN HTTPDで「ドキュメントルート」を変更する必要があります。「ドキュメントルート」とは、表示するページやプログラムが保存されているベースのディレクトリパス名という感じです。上の例では、「D:\my-project\my-page」と設定すると、その配下に格納されたHTMLファイルやCGIプログラムが実行されます。
上記「2-2」の画面を表示し、「ドキュメントルート」に「D:\my-project\my-page」と記入、「適用 > OK > 再起動確認 >OK」と順番に押してください。これで準備が整いましたので、ブラウザで「http://127.0.0.1/index.html」にアクセスしてみてください。ご自身で作成したページが表示されましたでしょうか?
CGIプログラムの場合も同じで「http://127.0.0.1/test.cgi」とブラウザのアドレスバーに入力するだけです。
Perlの絶対的な長所としてCPANという、ユーザコミュニティと便利モジュールリポジトリがあります。Perlのプログラムが必要になったら、自分でコードを書く前にCPANで似たモジュールがないかを確認します。大抵のプログラムはここで揃います。
今回は、特殊なプログラムではなく、基本的なモジュールの取得とインストールの方法について書きます。操作は非常に簡単です。
例えば、WEBプログラムでログイン/ログアウトの機能を作る際、セッション管理の機能が必要ですが、デフォルトのPadreにはそのモジュールが含まれていません。今回はそれをCPANから取得し、インストールしてみます。
Padreには、CPANにはツールが用意されています。スタートメニューの「DWIN Perl > Tool > CPAN clint」を起動します。右のコマンドライン画面が表示されますので、その画面に「install 取得するモジュール名」と入力します。
今回は「CGI::Session」モジュールを取得したいので、「install CGI::Session」と入力し、リターンを押すと、何やら文字が上に流れ、数分で「C:\Dwimperl\perl\bin\perl.exe ./Build install --uninst 1 -- OK」と表示されます。これで終了です。インストールもすべて完了しています。
長くなりましたが、最後に何かわからないことがあれば、お問い合わせページからどうぞ!